パソコンを買い換える時にチェックすべき3つの最重要項目〜CPU=作業者、HDD=収納、メモリ=机という認識で考えよう

パソコンを買い換えようとした時に、どれを買ったら良いか分からない!!

という人のために、パソコンの基本的な性能を表す3つの最重要項目について簡単に書いておこうと思います。

※個人的にPCと書く方が好きなので(笑)以下、パソコン=PCという表記に統一しますね。

PCの基本性能を決める3つの重要項目

PCの性能を決める項目はたくさんあるのですが、その中でもこれだけは必ず見た方が良いという3つの項目があります。

それは、

  • CPU
  • HDD(SSD)
  • メモリ

です。

「普段、動画編集や画像処理のような高機能なソフトは使わない。インターネット、メール、使うとしてもワード、エクセル、パワーポイントくらい。」という方の場合、PC性能についてはこの3つの項目だけ見ておけば十分です。

あとは、DVDプレイヤーは必要か、重さや画面サイズはどうするか、などの性能以外の部分で比較すれば良いと思います。

※HDDとはハードディスクドライブ、SSDとはソリッドステートドライブのことで、どちらも記憶装置の種類です。HDDよりもSSDの方が「処理能力が高く、スピードが速い」進化版と捉えておけばOKです。
※動画編集や画像処理、3Dゲームをこれから頻繁に行っていきたいという人は、グラフィックボードやサウンド関連の性能もきちんと見る必要があります。)

CPU=作業者、HDD=収納、メモリ=机

これらの3つを簡単に説明すると、CPU=作業者、HDD(SSD)=収納、メモリ=机という風に考えると理解しやすいです。

例え話で説明します。
とある作業者が何かの作業をしている様子をイメージしてください。

オフィスでの事務作業でも工場でのものづくりでも自宅での勉強でもなんでも良いです。ご自身が分かりやすい何らかの作業を思い浮かべてください。

そこには、作業のための収納と机が用意されています。
作業者は、この収納と机を使って作業を行います。

具体的には、作業者は収納から資料や材料や本と道具類を取り出し、それを机に広げて処理していきます。

さて、この時、作業スピードを決める基本的な要因となるのは、

  • 作業者の頭脳や能力の良さ
  • 収納の大きさ
  • 机の広さ

です。

  • 作業者の頭脳が良くなればなるほど、作業の処理スピードは上がります。
  • 収納が大きくなればなるほど、資料や材料や本、道具類をたくさん保管できるので、作業効率が上がり、スピードが上がります。(必要なものを近くに保管できる、倉庫に取りに行く手間が省ける)
  • 机の広さが広くなればなるほど、同時におけるモノの数が増えるので、作業効率が上がり、スピードが上がります。(手に届く範囲にモノが置ける、同時に別の作業を展開できる)

このように、作業スピードはこの3つによって決められます。

このお話はなんとなくお分かりいただけたでしょうか?
実はこれと同じことがPCの中で繰り広げられています。

  • CPUがパソコン処理の実作業を担当します。
  • HDDにある必要なデータやソフトを取り出します。
  • メモリ上にHDDから取り出した必要なデータやソフトを展開します。

このように、作業者(=CPU)が収納(=HDD)から必要な資料や材料や本(=データ)と道具(=ソフト)を取り出して、机(=メモリ)の上に展開して処理していきます。

PCの内部ってこんな感じになっているんですね。

※資料や材料や本はデータ、道具類はソフトやアプリ、倉庫は外付けハードディスクと考えればOKです。
※道具(ソフト)によっても作業スピードは変わります。ただし、その道具を扱えるかどうかは、作業者のスキルや能力によって変わります。ソフト(道具)の性能に対してCPU(作業者)の性能が低すぎると、ソフトを扱えきれず、フリーズします。

PC性能はCPU、メモリ、HDDのバランスが大事

処理速度という部分だけで見ると、CPUが良ければそのまま性能アップにつながるのですが、PCはあくまでこの3つのバランスが大切です。

先ほど、

作業者(=CPU)が収納(=HDD)から必要な資料や材料や本(=データ)と道具(=ソフト)を取り出して、机(=メモリ)の上に展開して処理していく

と書きましたが、
もし、机(=メモリ)がモノ(=データ)で一杯になったら、不要なモノ(=データ)を一度収納(=HDD)に戻してスペースを作って、空いたスペースに必要なモノ(=データ)を広げて処理を再開します。

この辺りも、実際の人間と同じような動き方をしています。

例えば、収納(=HDD)にスペースがたくさん空いていたら、その部分を仮置き場として机(=メモリ)の代わりに一時的に利用するなんてこともします。

※この仮置き場のことを仮想メモリと言います。

さて、PCの性能というのは、あくまでこの作業者、収納、机のワンセットで考えなくてはいけません。

PCの利用者である私たちは、言わば作業者に指示を出す管理者や監督、上司のような存在です。
そんな私たちにとっては、作業者、机、収納の個別の性能よりも、それらの組み合わせによって得られるパフォーマンスの方が大事ですよね。

作業者(=CPU)の能力がものすごく高くても、収納(=HDD)や机(=メモリ)が小さすぎると、非効率になってしまい、作業者の能力を最大限に活かすことはできません。

逆に、収納(=HDD)や机(=メモリ)が大きすぎても、作業者(=CPU)の能力が貧弱であれば宝の持ち腐れになってしまいます。

逆に、そこそこのCPUであっても、それなりのHDDやメモリが備わっていれば十分なパフォーマンスを発揮することもあるのです。

このように、この部分の性能さえ良ければ高パフォーマンスが期待できるというものではなく、CPU、メモリ、HDDのバランスが大事なのです。

体感としての性能の目安としてはCPUとメモリが優先

バランスがとても大事なのですが、基本的にはCPUとメモリの性能が良いと作業の処理スピードは早くなります。

処理スピードが速くなると起動しているソフト(アプリ)を処理する速度が早くなり、表示される速度やソフトの動作速度が速くなるので、PC利用者の体感スピードは上がります。

それは、作業者の能力が上がり机が広くなれば、同時に処理できることの数が増えるので、それを指示している監督(=PC利用者)からすると、以前の性能と比べて同じ作業が何倍もの速さで完了するようになったと感じるのと同じです。

この速さがPC利用者にとってのPCの動作の速さに直結します。

※ちなみに、CPUの性能が上がると処理能力が上がるのに加えてコア数というものが増えます。処理能力=作業者の能力、コア数=作業者の人数と同じ意味合いになります。なので、メモリのサイズが小さいとせっかく人数を増やしても人手が余るのと同じような状況になります。

HDDはあくまで収納なので、ある程度のサイズ(320GBが目安)以上にしてもあまり速度には影響が出ません。ただ、空き容量が減ってくると、仮置きスペースが確保できなくなるので、速度に影響が出てきます。

また、HDDではなくSSDにした場合は、体感スピードが格段に上がります。(SSDはHDDよりも数倍も性能が良いです。)
HDDが手動のスライド棚(車輪はついてるけど手で開いたり押したりする必要がある)だとしたら、SSDは超高速全自動のスライド棚で、スイッチ一つで必要な棚が手元まで来てくれる高性能の収納くらいの差があります。

ただ、CPUが高性能でかつSSDにしても、作業スペースであるメモリが小さいサイズだとやはり速度は落ちてしまいます。(もしくはフリーズします。)

なので、基本的には、PCの性能を上げたければ、作業者(=CPU)の能力と机(=メモリ)を大きくしてあげることが先決だと思います。

※SSD搭載のPCの場合、販売価格を抑えるためにSSDの容量が128GBというものも出ていますが、この時代に128GBでは全然足りないので、SSDの場合、最低でも256GB、できれば512GBあった方が利便性としては良いと思います。(256GBでも、大きいデータは外付けHDDに保存するなど上手くやればいけます。私は面倒くさがりなので大きい方を選んでしまいますが、、)

HDDやSSDの保存容量の大きさは処理速度には大きな影響はない

よく勘違いされやすいのですが、HDDやSSDの保存容量が大きい方が高性能というイメージがあるようですが、容量の大きさと処理速度としての性能にはほとんど関係はありません。

10年以上前にノートPCが続々登場して盛り上がってきた頃に、動画や写真のデータをたくさん保存したいという人が増えて、容量が大きい方がたくさん保存できる=性能が良いというイメージがついたのではないかなと思います。

当時はPCの処理性能よりも容量が大きい方が売れてたんですね。
だからメーカーも販売店もHDDの容量押しで、買う側もそこばかり目がいっていたという感じでしょうか。

もちろん、上で説明したように、HDDやSSDの空き容量が少なくなると動作に影響が出るので、それなりの容量は確保すべきなのは確かです。

とはいえ、最近のPCはHDDやSSDも保存容量や大きいものが標準装備になっているので、むしろCPUやメモリにきちんと目を向けてあげることがPC選びで失敗しないための秘訣なのではないかと思います。

まとめ

PCのことって専門用語がたくさん出てくるし、カタログを見てもなかなか理解しにくいとは思います。
なので、

「パソコンのことよく分からないんだよね、、」

という状態から

「なんとなく分かった気がする」

という状態になってもらえれば、この記事のお役目はまぁ果たせたかなと思います。
PC選びの際に少しでも皆様のお役に立てれればと思っています。

おまけ:CPUの性能について

メモリとHDDはそれぞれ〇GBと表記があるので、数字が大きい方が良いというのは分かりやすいと思います。

それに対して、CPUはCore i3とかCore i5とかPentiumとかCeleronとかAtomとかAMDとか色んな種類があってどれがいいのか分からない。。という意見が多いと思います。

PCのCPUと言えばIntelとAMDが有名ですが、Intelがほぼ独占状態で性能も抜群なので、IntelのCPUだけ全容を把握しておけばそれで問題ないと思います。(上のCore i3からAtomまでは全てIntel製です。)

IntelのCPUについてはこのサイトが分かりやすかったので載せておきますね。
参考:PCの基本!インテルCPUの種類と性能の違いは?

迷ったら、基本的にはCore i5かi3を選んでおけば問題ないと思います。
ちなみに、i7>i5>i3の順で性能が良くて、i7は高性能なので普段使いの人には不要だと思います。

また、i5-〇〇〇〇やi3-〇〇〇〇の様に数字が並びますが、この数字が大きいほど基本的には性能が良いです。

ただ、i5-2000番台とi3-3000番台ではi5-2000番台の方が性能が良い場合もあります。

詳しくは、「CPU ベンチマーク」と検索するとベンチマーク(性能を数値化したもの)の一覧サイトが出てくるので、そこで比較して見てみてください。

ここまで来るとよう分らん!!という人は、とりあえず、Core i5かi3の後ろに並んでいる数字が極力高いものを選ぶようにすると良いでしょう。

ということで、ご参考までに!!