「みんな同じ目的でなければいけない」という思い込み~為末大学の記事を読んで(4)~

為末さんの記事を読んで思ったこと(4)

日本社会=体育会体質/爲末大学

※見出しはスポーツ界に潜む「思い込み」です。つまり、為末さんはそれらを逆であると指摘されています。
※見出し直下の文章は要約です

<4>みんな同じ目的でなければいけない
「日本のスポーツは勝つことが目的となっているが、欧米ではスポーツは娯楽であり目的は多様である」

欧米では散歩がスポーツだという話には驚きましたが、確かに、日本のスポーツは勝つためにやること=競争ととらえている向きはありますよね。そういう認識が前提だから、「競争が良くない」とかいう理由で、全員で手をつないだ徒競走みたいことが生まれるんでしょうね。

競争だけがスポーツではないと認識させることは、実は学校体育の課題でもあるのです。
学校体育の目的って一体何でしょうか?一つの目的として、競技を通して心身を鍛えるということがあります。勝利という目標に向かって、努力し、協力するという姿勢を育むことは体育の重要な目的の一つです。
ただ、実は他にもあって、それは、子ども達が生涯において健康を維持出来るようにすることを目的として、その手段を教えるということです。今の学校体育においては、これが課題だと言われています。今でこそ、メディアが主導して健康ブームを起こしてくれたおかげで、市民ランナーなどの生涯スポーツ実施者も増えていますが、未だに教育機関を卒業した途端にスポーツをしなくなったという人の方が圧倒的に多いのです。

これはきっと、スポーツを競技ととらえている価値観が大きく左右しているのだろうと思います。ただでさえ、休みが少ない日本人にとって、休暇まで競争にさらされるのは息抜きにはならないでしょうから。

(5)に続きます。