モバイルWi-Fiルーターで「制限付きアクセス」になって接続が切断する現象を改善して、かつ速度を向上させる方法~モバイルWi-Fi覚書き~
何かと評判の悪い Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14 ですが(笑)外で仕事をすることも多い自分としては、それでも必須アイテムとして使っています。
さて、このHWD14、実は半年ほど前にファームウェアをアップデートして以来、PCでインターネット接続しようとすると、頻繁に「制限付きアクセス」になって切れるようになっていました。しかも、その頻度が10分に1度くらいなので、本当にやっかいだったのですが、その頃はカフェではなく家で仕事することが多くなってきたので、特に何も対処せずに放置していました。
それでも、さすがに毎回手動で「切断→接続」を繰り返すのも面倒になってきたので(こうしないと接続が復旧しない)、HWD14の本体の設定をいじって改善することにしました。(以下、理屈の上ではモバイルルーター一般にも適用できるのではないかと思います。HWD14以外を使っている人も参考にしてください。)
対処方法は2つ
この問題への対処法は、どうやら以下の2つ。
なお、どちらも、HWD14の設定ツールにログインする必要があります。
1.HWD14本体の「LAN設定」で、「Wi-Fiバンド幅」を「40MHz」から「20MHz」に変更する
2.HWD14本体の「LAN設定」で、「IEEE802.11モード」を「802.11b/g」に設定する(802.11nで接続しない)
【HWD14の設定ツールへのログイン方法】
a.PCをHWD14に接続する
b.アドレス欄に192.168.100.1もしくはhttp://wi-fiwalker.homeと入力
c.HWD14の管理画面が表示されたら、ログイン名:admin、パスワード:「本体裏に記載のIMEIの下5桁」もしくは「自分で変更設定したパス」を入力
b.上部「設定」タブ>左部メニュー「LAN設定」をクリック
e.該当箇所を変更する
参考:
UQ WiMAX2+のHWD14で「制限付きアクセス」になり接続が切れる
Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14 Wi-Fi接続の改善について
他にもいくつか同じことを試した人もいましたが、どちらでも改善されるようです。
そこで、どちらの方が良いのか調べていたら、見つけたのがこの記事。
参考:WiMAX2+ HWD14 無線LANの設定を 40MHz と 20MHz とで変更するとどう変わるのかテストしました。
下り速度が、40MHzだと4.88Mbps、20MHzだと29.00Mbpsで一目瞭然で20MHzの方が速くなるようです。
ということで、せっかくなので、デフォルトの設定と1.と2.での速度の違いを調べてみました。
1.でも2.でもどちらでもほとんど同じように速度が上がる
測定は、BNRスピードテストを使用。
測定場所は、横浜市内某所。
上り下り共に5回測定して上位2位の値で比較。
0. IEEE802.11モード:802.11b/g/n Wi-Fiバンド幅:40MHz(初期設定)
下り(ダウンロード)
推定転送速度: 6.77Mbps
上り(アップロード)
データ転送速度: 1.43Mbps
1. IEEE802.11モード:802.11b/g/n Wi-Fiバンド幅:20MHz
下り
推定転送速度: 14.72Mbps
上り
データ転送速度 :2.00Mbps
2. IEEE802.11モード:802.11b/g Wi-Fiバンド幅:20MHz ※20MHzしか選択できず
下り
推定転送速度: 13.68Mbps
上り
データ転送速度 :2.14Mbps
ということで、1.でも2.でもどちらでもほとんど変わらないようです。
もちろん、どちらでもしっかり、頻繁に「制限付きアクセス」になって接続が切断する症状も改善されます。
頻繁に「制限付きアクセス」になって接続が切断してしまう原因
私は専門外なので、確証は持てていないのですが、調べたところによると、Wi-Fiの周波数帯域が2.4GHzの時に、チャンネルが使用する帯域(Wi-Fiバンド幅)が40MHzだと電波品質が悪くなってしまうようです。※下記参考サイトの「2.4GHz帯」の項目の注意書き参照
上記の参考サイトにも書かれていますが、チャンネル使用帯域を20MHzから40MHzにすることで、理論上の伝送速度を2倍以上にできます。これが、「IEEE802.11モード」を「802.11b/g/n」にした時の最大の利点です。
ただ、それを2.4GHzの周波数帯域で使うと品質が劣化して、結果として速度が遅くなるようだと意味がありませんね。しかも、5GHzで使うと、最大同時使用チャンネルが9つなのに対して、2.4GHzだと2つしか使えなくなります。
つまり、機器との接続に2.4GHzの周波数帯域しか使えないHWD14にとって、40MHz設定でしようするメリットはほとんどないと言っていいでしょう。
※HWD14のスペックを見ると、一見、5GHzに対応しているように見えますが、5GHz対応の表記はWAN側(インターネットとの接続側)のみで、LAN側(機器との接続側)に5GHz対応の表示がありません。HWD14の取扱説明書をよく読むと、5GHzを使用する(設定できる)のは、カフェなどでWi-Fiスポット接続を使ってインターネットと接続する時のみなので、機器との接続には2.4GHzの周波数帯域しか使えない事が分かります。
※ちなみに、5GHzの周波数帯域では、一部電波法で屋外使用を禁止されてる周波数があるようです。おそらくそのせいで、モバイルWi-FiであるHWD14には実装されていないのでしょう。
参考:Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD14 スペック
2.4GHzしか使用できないのならば、 「802.11b/g 20MHz」でも「802.11b/g/n 20MHz」でも一緒
802.11b/g/nは、5GHzの周波数帯域で40MHzで使用することで最大の性能を発揮しますが、20MHzで使用すると、最大伝送速度も65~72.2Mbpsと802.11b/gとほぼ大差がなくなります。それでも、数値だけ見ると多少速く感じますが、実測値でほとんど変わらないのだったら、最大速度はあくまで理論値なので、無視して構わないでしょう。
参考:
ネットワークエンジニアとして|Wireless LAN – 802.11b / 11a / 11g / 11n
IEEE 802.11n ‐ 通信用語の基礎知識
※一つ目のサイトで、802.11nの同時使用チャネル数が2となっていますが、恐らく、20MHzで使用時は4になるんじゃないかと。素人考えですが、、たぶん。。
ということで、頻繁に「制限付きアクセス」になって接続が切断する症状や速度向上を狙うなら、どちらの設定でも構わないという結論に至りました。
ま、私個人的には、新しいもの好きなので「802.11b/g/n 20MHz」の方を選んでしまいますが…(笑)
補足:5GHzで機器接続可能なモバイルWi-Fiルーターだとどうなる?!
やっぱり、5GHzが使えるとその方が速いみたいですね!
参考:HW-01Fの無線LAN設定を2.4GHz/5GHzで切り替えてスピードテスト